一生涯にかかる医療費を
ご存知ですか?
若い年代の人ほど、医療費を負担に感じていないかもしれません。しかし、厚生労働省の推計によれば、一生にかかる医療費は、2400万円となっています(厚生労働省医療保険データベースより)。医療保険制度によって自己負担額は違ってきますが、70代以降は(1割負担の場合でも)1年間にかかる医療費の平均が20万円を超えています。
いくつになっても健康に暮らすということは、QOLの高い生活が送れるというだけでなく、医療費の節約にもつながるのです。
歯の健康が医療費を安くするという調査結果
トヨタ関連部品健康保険組合(愛知県豊田市)と豊田加茂歯科医師会の共同調査で、定期的に歯科を受診して歯の健康維持に努めた人は、生涯医療費が平均よりも安くなることがわかりました。
【調査について】
組合員5万2600人の2009年度の医療費と受診歴のデータを分析し、歯石除去など予防を目的に定期的に受診した人602人を対象に総医療費を調べた
【調査結果】
- 定期的に歯科を受診している人は48歳までは平均よりも医療費が高くなっている
- 49歳を超えると平均よりも安くなり、その差はどんどん広がっていく
(65歳では平均医療費よりも15万円以上安くなっている)
歯の健康が生涯医療費を
安くする理由
トヨタ関連部品健康保険組合は、調査結果について「歯が悪いと食事が偏ったり、歯並びが悪くなったりする。それが糖尿病や肩凝り、骨粗しょう症を招き、体全体の健康に影響する」と分析しています。
歯を失うことは、糖尿病だけでなく、認知症や脳血管疾患などさまざまな全身疾患のリスクを高めます。お口の健康を守ることは、全身の健康維持につながり、医療費の節約につながるのです。
将来の健康のために
予防歯科が大切です
小さな虫歯も、再発を繰り返すと重症化し、歯の喪失を招きます。また、歯周病は再発しやすい病気であり、多くの歯を失っている人も少なくありません。 早期治療ももちろん大切なのですが、「病気にしない」ということが最も大切です。
将来に多くの歯を残して健康を維持し、QOL(生活の質)の高い生活を送るためには、早いうちから予防歯科を始めることが大切です。
痛くなってから歯医者を受診するのではなく、痛くなる前に歯医者を受診することが大切であり、その「差」は、将来の健康や医療費に大きく表れてくるでしょう。後悔することがないように、多くの方に予防歯科を始めていただきたいと願っています。